OG 『愛希れいか』さん(95期)

OGの記事、1回目は、『愛希れいか(まなきれいか)』さん。
『ちゃぴ』です。
失礼ながら、愛情を持って、以下『ちゃぴ』と呼ばせていただきます。

元月組トップ娘役。

(2021年1月時点)月組トップスター・珠城りょうさん(94期)のトップスターとして、
初めての相手役・トップ娘役さんでした。

私がちゃぴを初めて観たのは、私の宝塚初観劇作品の
2012年、月組の『ロミオとジュリエット』のジュリエット。

この時のロミオは役替わりで、
当時の月組トップスター龍真咲さん(87期)と準トップの明日海りおさん(89期)が、
公演ごとにロミオとティボルトを交替して演じていました。
私が観劇した時のロミオは、明日海りおさんでした。

この時は、宝塚歌劇のことなど全く何も知らずに、2階の奥の奥、立見席で観たので、
演者の表情は見えず、
タカラジェンヌ個人というよりも、
古典作品をロックミュージカルにアレンジした
『ロミオとジュリエット』の作品自体に感動し、
この時のちゃぴがどうだったという感想は、正直思い出せません。

大変だったお披露目公演。

ただ、タカラヅカがどんなものかを当時よりも知るようになった今思えば、
当時のちゃぴは、凄く大変な状況だったのだなと思います。
ちゃぴ自身の娘役トップとしてのお披露目公演。
しかも、相手役のトップスターもお披露目で、
上級生とは言え、トップスターとしては初心者マーク。
また、異例中の異例、準トップなるものも同時にお披露目。
月組生全体も若く、
しかも、ちゃぴ自身が2009年入団であることを考えれば、まだまだ下級生。
更に、ちゃぴが男役から娘役に転向して間もない状況だった。
私の知る限りの当時のちゃぴの状況を書き出してみて、
改めて、
ちゃぴの娘役トップ就任の時のとんでもなさに驚いています。

タカラジェンヌ時代の魅力

その後、月組作品を観続け、ちゃぴの謙虚さ、ひたむきさを感じ、
また、ダンスのダイナミックかつ優雅さ、丁寧さを感じた。
また、演技においては、いわゆる憑依型と言うのか、
その役の人物がイタコに乗り移っているかの如く、
ちゃぴではなく、その役の人物を舞台の上に観ている感覚を覚えた。

一番、衝撃的だったのは、
2016年全国ツアー公演の『激情-ホセとカルメン-』のカルメン。
普段のちゃぴ(プライベートの素のちゃぴは、知らないけども)は、
朗らかな可愛らしい印象なのですが、
幕が上がり、舞台上にいるその女性は、
情熱的なダンスで、
「これって、清く正しく美しくのタカラヅカ的にありなの!?」
と衝撃を受けた。
演技でも、ちゃぴは何処にもいなかった。
舞台に居るのは、カルメンだった。

ちゃぴの演じるヒロインは、
皆、ちゃぴではなく、その役の人物だった。

その時は、ただ、ちゃぴだった。

ただ、一度だけ、役ではなく舞台上に、ちゃぴを見たことがある。

それは、ちゃぴの退団公演『エリザベート』の大千秋楽(東京宝塚劇場の千秋楽)のフィナーレのデュエットダンスだ。

それまでは、フィナーレも、エリザベートして、トートとデュエットダンスを踊っていた。
しかし、大千秋楽のデュエットダンスでは、相手役のたまさま(珠城りょうさん。珠様。りょうちゃん。)の顔を見て、幸せそうに微笑んだのだ。
その微笑みに、相手役のりょうちゃん(珠城りょう)が驚いた表情をした。
そのりょうちゃんの表情から、
ちゃぴの微笑みがイレギュラー的な微笑みだったことがうかがえた。

その時のちゃぴの笑顔は、
本当に幸せそうな笑顔で、その笑顔を思い出すと私の眼は、いまだに涙がわいてくる。
それほどまでに、印象的で、感動的だった。

宝塚退団後のちゃぴの感想。

私は、タカラヅカに金をつぎ込み過ぎているため、タカラヅカ以外の舞台はあまり観ることはできないのだが、他のOGに比べて、ちゃぴの出演作品は観ている。

退団後初めての出演作、
2019年 帝国劇場の『エリザベート』。
相手役トートは、古川雄大さんだった。
ちゃぴの相手役が男性になることで、私自身が違和感を覚えるだろうかと思っていたが、全くそんなことはなく、ちゃぴのエリザベートを堪能した。
劇中のエリザベートが浮遊するかのダンスでは、ちゃぴのダンサーとしての表現力に、また驚かされた。
宝塚歌劇の『エリザベート』とは、内容が少し異なることもあり、
宝塚歌劇のシシィ(エリザベート)よりも大人なシシィだった。それをしっかりと感じた。
ちゃぴの活躍を嬉しく思った。

2019年 赤坂ACTシアター『ファントム』。
この時のファントム(エリック)は、加藤和樹さん。
『ファントム』という作品は、同年に雪組で観劇して、もの凄く感動し、その印象が強く残っているタイミングだった。

雪組トップコンビ、望海風斗さん(89期)と真彩希帆さん(98期)の歌ウマ・演技力最高なのを観劇していたので、ちゃぴのクリスティーヌはどんなものなのかと思っていたが、クリスティーヌの成長を上手く表現しており、こちらもエリザベート同様に宝塚版よりも少し大人のクリスティーヌに感じた。
クリスティーヌも良かったんだけど、
ファントム(エリック)の母・ベラドーヴァを演じた場面の鬼気迫るダンスに鳥肌が立った。
怖さを感じるほどだった。

2020年 日本青年館『フラッシュダンス』。
ちゃぴのダンス見たさに観劇した。
ここで、厳しいことを言ってしまうようだが、
『フラッシュダンス』は、これまでの公演よりも感動が少なかった。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染予防対策もあり、色々と変更があったようだ。また、一度販売した客席を返金し、改めて販売したのだが、座席と座席を一席あけての販売となり、隣の席が1つずつ空席の状態での公演だった。(ただ見る側としては、両隣に人がいないのは快適だった。)
私も一度購入していたチケットが払い戻しとなり、改めて購入しなおした。
作品自体も、色々と変更が必要になったそうなので、当初の完成形とは別物になっていたのだろう。稽古も色々と勝手が違い、大変だったと思う。

その中でも、ちゃぴのひたむきさを強く感じた。
また、春風ひとみさん(65期)と秋園美緒さん(79期)のタカラヅカOGに感動した。
お二人の芝居は素晴らしかった。
もちろん、私はお二人がタカラヅカ現役当時の舞台を観たことがない。
ちゃぴと春風さんと秋園さんの三人の場面では、FAMILYを感じて、良い場面だなと温かな気持ちになった。

タカラヅカ以外の舞台で、「上手い女優さんがいるなぁ。」と思い、公演パンフレットで確認した際に、宝塚OGであることがある。やはり宝塚歌劇での経験ってのは、価値があるんだなと感じている。

それから、振付家のSHUNさん(大村俊介さん)の芝居にも大いに感動した。タカラヅカでも振り付けをされたことがある方で、タカラジェンヌ達が、「SHUN先生の振り付けを受けたい」と言っているのを何かで見たことがある(読んだことがある)。元花組トップスターの蘭寿とむさん(82期)の宝塚退団後の初めての舞台『ifi(イフアイ)』に出演されていた時には、たしか、ダンスのみの表現でセリフが無かったので、SHUNさんの芝居を初めて観て、芝居力もそうだが、特に素敵な声に惚れた。

それから、輝生かなでさん(99期)も出演しており、彼女は月組での現役時代を観劇していたので、久々に舞台に立つ彼女を観られて嬉しかった。ダンスのキレが素晴らしかった。

『フラッシュダンス』は、思っていたよりも、ちゃぴのダンスシーンが少なく、ちゃぴのダンスが堪能できなかった。
と言っても、私が期待しすぎていたんだけど。

今後、期待すること。

今一番望むのは、ミュージカル『イリュージョニスト』の完成形を公演して欲しい。

それこそ、新型コロナウイルスの影響で、ミュージカルからコンサートバージョンに変更され、日程を縮小して公演をすることになった。今回はコロナ禍ということもあり、チケット購入を避けた。
是非とも、本来のミュージカル作品として『イリュージョニスト』が公演されるように願っています。おそらく、誰よりも作品に関わっていらっしゃる方々が望んでいると思われます。
今は、今回のコンサートバージョン『イリュージョニスト』の成功を祈っています。

『イリュージョニスト』以外では、蘭寿とむさんの『ifi』のように、
ちゃぴと世界的ダンサー・ミュージカルスター達との共演作品を観たいと切望する。
特に、ちゃぴのダンスを堪能したい!!させてくれ!!
コロナ禍の現在では、不可能なのだけども、早く以前の様に人同士の接触が出来るようになって欲しい。

また、色々な作品で、タイプの異なる色々な役のちゃぴの芝居が観たい。
きっと、ちゃぴの演じるそれぞれの人物が違って面白いだろうなと期待してしまう。

新型コロナウイルスが一日も早く脅威ではなくなりますように。
ちゃぴの舞台を堪能するために。